皆、生きているだけで世界と関わっている。
一緒に旅してきた愛用のパソコンを広げる。
ただ思いつくままに言葉を垂れ流してみる。
からだいっぱいに懐かしい空気を吸いこむ。
脳を構成している本たちを机に積み上げる。
カーテンを押しのけて吹き込む風を感じる。
歩く人の声や車のエンジン音に耳を傾ける。
あの日々からずっと時を刻む時計を眺める。
水をお気に入りのコップに注いで飲みほす。
皆、生きているだけで世界と関わっている。
〜
しばらくぶりに、実家に帰ってきた。
僕は一人、中学生、高校生と過ごした部屋でもくもくと記事を書いている。
天井には、子供の頃、遊び心でぶら下げた小さな松ぼっくりが、吹き込む風に揺られてくるくると回っている。
色々なことがあったなぁ。
この部屋で暮らしていた頃は、ぼんやりと、輝かしい日々を生きていた。
勘違いと勢いだけで生きていた日々。
その中に、身体だけ大きくなって入り込んでいるような感覚。
今はただ、ただ、あたたかく、懐かしい。
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〜
なんだかいろんなものを読んだり聴いたりしていると、今を一生懸命に生きる意識が大切みたいだ。
なんだかいろんなものを読んだり聴いたりしていると、僕たちは誰かに貢献して充実感を得ることで幸せになれるみたいだ。
なんだかいろんなものを読んだり聴いたりしていると、どうやら一つくらいに決めて、自分の持てる時間を注ぎ込むところに生き甲斐があるみたいだ。
僕に何ができるのだろう?
書くことが好きだ。
声を使うことが好きだ。
言葉が、好きだ。
〜
言葉で、誰かに貢献する。言葉で、誰かを笑顔にする。
これまで、そんなことが僕にできていただろうか?
これから、そんなことが僕にできるだろうか?
今、こんな僕にでも、できるだろうか。
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外を自転車で走り抜けていった子供たちの声を聞いて、弟と駆け回った日々を思い出す。
なんとなくあげた楽しげな声が、こうして誰かのブログに影響を与えているくらいなのだから、僕たちはこの世に生まれて、声をあげた時からずっと、世界と関わり続ける宿命を背負わされているのだろう。
僕がなんとなく打ちこむこの一文字がこうして誰かの目に届き、望郷の念や想像力をつんつんと刺激する。
平和だ。
こんな余白の時間も愛しながら、ゆるりと言葉を発信していけたらと思う。
ありがたいことだなぁ。
ではでは。
最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました。

皆、生きているだけで世界と関わっている。
嵯峨ノ頼麦
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