北の森人(仮)

一 ノルタ帝国

こんなはずではなかった。
ほんの少し、理不尽に抗いたかっただけなんだ。

ただそれだけだったのに、僕は今、引き裂かれる思いを胸に、眼前に深まる暗闇を見つめている。

このドカドカとうるさい鼓動も、喉が焼けるような激しい呼吸も、とっさに握りしめてきた、なけなしの銅貨だって、全て飲み込まれて溶けてしまいそうな暗闇。

凍てつくような寒さのはずなのに、全くそれを感じない。

貧しくも平穏な日常に、ほんの少しの情けを望んだ結果がこれだ。

こんなことなら、何も望まなければよかった。
これまで通り、慎ましく生きていればよかったのだ。

休むことない自責の念が心を染める。
でも、ああするより他にどうすればよかったのか。

事件は、なんでもない昼下がりに起きたんだ。 12/22

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1 個のコメント

  • 毎晩、寝る前に拝聴しています。素晴らしい声に聞き惚れながら眠りにつかさせて頂いています。
    ただ、ただ、一つお願いがあります、「春のプラネタリウム」や「冬のプラネタリウム」他、いくつかにとてもバックグラウンドの音量が高いものがあり、耳障りで寝れなくなってしまいます。聴きたいのに諦めざる終えません、、お願いです、バックグラウンドの音は出来るだけ小さくしていただけないでしょうか?

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