消しゴムの証言

うちのご主人はいつまでも子どもだ。

いい歳してボクを使って遊んでいる。

意味もなく部屋を探検させたり、

他の文房具と決闘させたりする。

まったく、くだらねぇよな。

ボクらは消すために生まれてきた。

身を削り働くために生まれてきた。

一年せずに削れ消えた仲間もいる。

だというのに、

いったいなんだというのだ。

このままでは役割を果たせない。

ボクのことを十年もそばに置いてさ。

大事に大事に持ち歩いてくれてさ。

まったく。

うっかり好きになっちまうとこだ。

まぁ、こんな一生も悪くはないかな。

ありがとうな。

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2 件のコメント

  • 先日の『朝のアフタートーク』で消しゴムの話がありましたね。あの話を聴いて後にこの詩を読むと、より情景が浮かんで楽しく思います。

  • 「久しぶりに消しゴムの包みを切った」
    先日Tweetされてましたね。

    10年もそばに置いていたこの子。
    身を削るために、働くために生まれてきたのに…と
    ボヤきながら、ご主人の愛情を喜んでいた。

    きっと、この子も使命を果たすことが出来て、一生を終えたのでしょうね。

    変わったご主人だなぁと思った事もあったけど、一緒に遊べて楽しかったよ!!
    頼麦さんって言うんだね。ありがとう。
    新しい仲間をよろしくな。

    今! 私の耳に聞こえて来ましたよ。

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