夏の抵抗
粗悪な言葉に疲れたなら 最寄りのベンチに赴いて 蝉の競い求める声を聴き 世の喧騒を打ち消すのみ
詩
粗悪な言葉に疲れたなら 最寄りのベンチに赴いて 蝉の競い求める声を聴き 世の喧騒を打ち消すのみ
詩
それでも日は昇る
詩
選びとったものには 正解も間違いもない 正解にする必要も 間違いにする必要もない ただし 選びとったものとは 向き合い続けねばならない 選びとらなかったこととも 向き合い続けねばならない だから 選択をした後に 向き合い…
詩
言葉は要らない 言葉は要らない 森を歩くために言葉は要らない 雨を聴くために言葉は要らない 言葉は要らない 言葉は要らない 川で涼むために言葉は要らない 海で遊ぶために言葉は要らない 言葉は要らない 言葉は要らない 手を…
詩
くり返す日々の中の ちょっとだけ嬉しいことを 数えてみようと思います ある朝に咲いた ベランダのオクラの花 詩集の中で見つけた 小さなやさしい言葉 昨日つくったカレーの ルゥのとけのこり そして 自分にとっての嬉しさを …
詩
必死に手足を動かすも 寄せる波には逆らえぬ 先見れば満天の青と白 後見れば波間の夏の声 目を射る太陽は熱与え 目に入る海水は熱奪う 今この場所は真ん中だ 生と死交じる真ん中だ 自らの抱える悩みなど 泡と消えゆく真ん中だ …
詩
目を開けると二匹の鮎が こちらを白い眼で見つめていた 丸々と肥え太らされた挙句 どちらも白昼の食卓のため 塩をふられて炙られて こちらを白い眼で見つめている 片方は悲痛な顔をしており 片方は観念した様子である 私は 徐に…
詩
夜が嫌いだ。 全てを赦すふりをする、夜が嫌いだ。 海が嫌いだ。 平気で命を吸い込む、海が嫌いだ。 月が嫌いだ。 還らぬ日々を見せつける、月が嫌いだ。 本が嫌いだ。 訳知り顔で押しつける、本が嫌いだ。 丸太が嫌いだ。 死ん…
詩
自分のいちぶを失うと ぜんぶを闇に染められる 目隠しされたかのように まっくら闇につつまれる そんな時にはどうするか どうにか生き抜く他にない 逃げてもこけても構わない どうにかやり過ぐ他にない しばらく生き抜くその内に…
詩
暮れ泥む 空に溶けるは 夏けむり 囃子の響き 迷い子の夢
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