夜が嫌いだ。
全てを赦すふりをする、夜が嫌いだ。
海が嫌いだ。
平気で命を吸い込む、海が嫌いだ。
月が嫌いだ。
還らぬ日々を見せつける、月が嫌いだ。
本が嫌いだ。
訳知り顔で押しつける、本が嫌いだ。
丸太が嫌いだ。
死んだふりして横たわる、丸太が嫌いだ。
焚き火が嫌いだ。
君の横顔を照らした、焚き火が嫌いだ。
夜に帰れぬ私には
海しか居場所がなかったの
月の照らした碧い浜
本の頁をたぐる君
丸太に二人座り込み
焚き火の音を聴いていた
何も言えずにいた私
何も言わずにおいた君
それだけで全部救われた
それだけで日々を繋いでた
夜も海も月だって
本当は全部すきだった
本も丸太も焚き火さえ
本当は嫌いなんかじゃない
今でも私は此処に来る
全部を嫌いになりかけて
毎晩私は此処に来る
君が還ってくるまでは
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静かな月明かりの夜の海
静かに寄り添う恋人たち
もう会うことができない
愛しい人
美しい思い出としていつまでも
心の中に残っていますね。
情景が、目の前に浮かぶようです。
大好きだったものも、楽しかった日々を穏やかだった日々を思い出させる辛く悲しいものになってしまうと、しだいに嫌いになってしまいますよね。
きっと本当に大切で宝物な思い出なら、辛く悲しい気持ちを時間が癒してくれた時、かならずまた好きになってなってますよ。ちょっと見方や、感じ方が変わっても、大切な思い出・宝であることに変わりはしない。
時間に癒された先で、微笑みながらやっぱり好きだなぁと思える日が来ます。大丈夫。だから、今は沢山沢山泣いて凹んでべそべそしちゃえ!
と思ってしまう自分です。