【フリー台本】あったかい気持ち【1人用 |2分】

あったかい気持ち

頼麦 作

 

この文章の著作権は夜咄頼麦に帰属しますが、朗読についての著作使用権は解放しております。YouTubeでの朗読、声劇、そのほか音声表現活動などで自由にお使いください。

その際、この原作ページのURLを作品などに掲載していただきますよう、お願い申し上げます。

 

 

ぽかぽかあったかい空です。

くまさんは、おさんぽをしながら足もとをみました。

いちばん高く上がったお日さまが、

小さなかげをつくります。

くまさんはあったかい気持ちになって、

誰かにやさしくしたくなりました。

 

くまさんが歩いていると、

ソバの原っぱで、

泣いているへびさんを見かけました。

「どうしたの?」

へびさんは何も言わずにふるえています。

くまさんはどうしようかと考えて、

へびさんの横に座ることにしました。

 

へびさんはなかなか泣きやみません。

くまさんはじっと、

へびさんのそばを離れませんでした。

 

すっかりかげが長くなったころ、

へびさんは泣きながら歌い始めました。

それを聴いたくまさんは、

知っている歌でしたので、

いっしょに歌いました。

すっかり暗くなるまで、

いっしょに歌いました。

 

たくさん歌って泣き止んだへびさんは、

くまさんをじっと見て、

そろそろとソバの原っぱを歩いてゆきました。

 

へびさんを見送ったくまさんは、

少しだけほこらしい気持ちになって、

やさしい表情でおうちに帰りました。

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5 件のコメント

  • 心の「ぽかぽか」
    ただそうしてあげたい気持ち。
    くまさんの「ぽかぽか」がへびさんにも伝わって良かった。

    読むと心がぽかぽかする
    優しい心の絵本みたいです。

  • へびさんは、くまさんが知ってる歌を歌っていたんですね。うーん、何の歌だったのかな~。
    「ぼくらはみんな生きている」とか、それとも、みんなが怖がるから寂しくて泣いてる、そんな泣ける歌。なんだろう。きっと優しい歌だろうな。

  • 寄り添うだけでいいんですね。
    くまさんの、優しい心根伝わりました。

    人間は、何かしてあげなきやって考えがちで
    出来ない自分を不甲斐なく思ったり、
    余計なお世話になつたり。

    寄り添う 
    こんな、シンプルで大切なこと
    またひとつ、思い出させていただきました。

    ありがとう。

  • ただただ寄り添える優しさ、勇気、心強さ。簡単そうで、難しいですよね。それも、最後まで付き合ってくれる人はもっと少ない。
    そんな存在に巡り合えたら本当に大事にしたいですね。一生のうちに何人そんな存在に出会えますかね?

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