火照った指先で水面を破ると、

たちまち空気も巻き込まれる。

不意に突き落とされた驚きに、

泡として生まれ落ちた驚きに、

真っ直ぐ故郷を目指すもの、

指先にとどまるものもいる。

中でもとどまったものたちは、

何かにすがらず生きられない。

なんの説明もないままに、

寄り集まらねば生きられない。

見えざる力に逆らえなければ、

たちまち大気に溶けていく。

でも、きっとそれだけのこと。

いずれは僕も溶けるだろう、

水面に微かな波紋を残して。

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