海を眺む

小粒な石が足裏を押す。
これらの色とりどりの石はどこからきたのだろうか。
荒れる日本海を望む翡翠の海を思う。
しかし、今目の前にあるのは遠景に煙を望む不自然な海である。

小柄な頭蓋骨が目に留まる。
この風化して黄ばんだ骨はどこからきたのだろうか。
この骨がかつて生きた濁りなき森を思う。
しかし、今目の前にあるのは等間隔に生え揃う不自然な松である。

この海岸は、自然と不自然の境であり、生と死の境である。
人間の遠ざけてきた自然と死とがここにはある。
元来、少し手を伸ばせば、そこにあるものである。
僕らの営みは、本当はこの境で行われていたのではなかったか。

小さな僕は海を眺む。
このちっぽけな心と身体一つはどこからきたのだろうか。
海風が泣いている。
僕らが得たものは、何を損なったのだろうか。

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2 件のコメント

  • 万物はその高揚の時を生き、やがてこの亡骸のように枯れる。その 高揚を何処にもとめ 何処で最高潮を自覚し 後は 如何に損傷の少ない綺麗な状態で、後を遺すかを また 追い求める旅に出るようなものなのだろう。
    海を眺め ものおもう時 計り知れない無力さにみまわれ それでも 生きてきたんだという自負を奮い立たせてかろうじて壊れずにいる。そんな 経験は誰しもがもつものなのだろう。
    だから みんなと群れ、安堵を得るのだろう。
    あなたの 呟きに わたしもしばし考えてみる

  • 色々考えさせられました。
    海近いので
    眺めながらだと
    また違いますね。
    色々、色々考え、思います。

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