海の祭り
必死に手足を動かすも 寄せる波には逆らえぬ 先見れば満天の青と白 後見れば波間の夏の声 目を射る太陽は熱与え 目に入る海水は熱奪う 今この場所は真ん中だ 生と死交じる真ん中だ 自らの抱える悩みなど 泡と消えゆく真ん中だ …
必死に手足を動かすも 寄せる波には逆らえぬ 先見れば満天の青と白 後見れば波間の夏の声 目を射る太陽は熱与え 目に入る海水は熱奪う 今この場所は真ん中だ 生と死交じる真ん中だ 自らの抱える悩みなど 泡と消えゆく真ん中だ …
目を開けると二匹の鮎が こちらを白い眼で見つめていた 丸々と肥え太らされた挙句 どちらも白昼の食卓のため 塩をふられて炙られて こちらを白い眼で見つめている 片方は悲痛な顔をしており 片方は観念した様子である 私は 徐に…
夜が嫌いだ。 全てを赦すふりをする、夜が嫌いだ。 海が嫌いだ。 平気で命を吸い込む、海が嫌いだ。 月が嫌いだ。 還らぬ日々を見せつける、月が嫌いだ。 本が嫌いだ。 訳知り顔で押しつける、本が嫌いだ。 丸太が嫌いだ。 死ん…
自分のいちぶを失うと ぜんぶを闇に染められる 目隠しされたかのように まっくら闇につつまれる そんな時にはどうするか どうにか生き抜く他にない 逃げてもこけても構わない どうにかやり過ぐ他にない しばらく生き抜くその内に…
暮れ泥む 空に溶けるは 夏けむり 囃子の響き 迷い子の夢
若さに任せてこけちゃって うつ向く日々があったなあ なにをする気も起きなくて ただただ自分をなげいてた 部屋から出れないその上に 食事ものどを通らない それでも母は気づかって おさらを置いてくれたっけ 誰かが動けずいるの…
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