僕らの海
砂を踏みしめると鼻にくるどこか懐かしい海の香り 胸に詰まった悔しさを思いきり叫んだ海の香り 初めてきた海のはずなのに波のつくった模様まで あの日にじんだ海の景色となんだか似ている気がした よく考えてみたら海はどこかで海と…
砂を踏みしめると鼻にくるどこか懐かしい海の香り 胸に詰まった悔しさを思いきり叫んだ海の香り 初めてきた海のはずなのに波のつくった模様まで あの日にじんだ海の景色となんだか似ている気がした よく考えてみたら海はどこかで海と…
青塗りのキャンバスに白い絵の具をなすったような深秋の候 お元気になさっておりますでしょうか これといった用事もないのですが この朝を 些細なことも伝えたくなってしまうほどありふれた恋しい朝を 分けては揺れる世界を忘れてし…
ひとりじゃ寂しいからにんげんは集まる ひとりじゃ乗り越えられないからにんげんは集まる 集まって出した答えには難を乗り切る知恵が宿って 考え考えた末に今の世界はできている 大変な世界だからこそ知恵を生むたまごがいるんだね …
誰かを中傷するだとか軍事を強化するだとか そんなことをする前にブランコに乗って 青い空と紅く染まった葉を眺めりゃいいのになあ そんなことを考えながらブランコに座ろうとしたら スッと逃げられて 人知れず尻餅をつきました 顔…
この街に来ると必ず立ち寄るどの街にもあるそんな場所 何でもない日だというのに子どもも大人もたくさん居る ここに居てもいいよって声にみんな集まってるんだろうなぁ この建築に溶けると必ず座るどの建築にもあるお気に入りの場所 …
こうべを垂れて鳥居をくぐる一歩一歩を踏みしめるどこか世界から切り取られたような爽やかな静寂が身を締める ご挨拶の前に泥を落とすのはなんだか申し訳ない気持ちがして一度鳥居の外に出て広場の隅で足踏みした こうべを垂れて鳥居を…
大事に大事にしていたのにあの部屋にわすれてきてしまった 君は呆れて静まり返る 僕は焦って引き返す のれんをくぐって訳をはなすこちらですねと差し出される 君は拗ねてそっぽを向く 僕は必死で君に謝る まだあたたかい手首に君を…
どうしてって聞くとどうしても、と首をふる なにがって聞くとなにも、と眼をおとす あなたにしかわからない気もちがあってそこに僕はいれてもらえない あなたの声をきくかすかに震えている あなたの眼をのぞくふかい悲しみをやどして…
小粒な石が足裏を押す。これらの色とりどりの石はどこからきたのだろうか。荒れる日本海を望む翡翠の海を思う。しかし、今目の前にあるのは遠景に煙を望む不自然な海である。 小柄な頭蓋骨が目に留まる。この風化して黄ばんだ骨はどこか…
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