金具
雲ひとつない空のもと、 屋根の金具を見つめてる。 あの金具は屋根の片隅を、 誉められもせず支えてる。 重い重いと言いながら、 誉められもせず支えてる。 そのためだけにつくられて、 役目を終えるその日まで、 静かに僕らの生…
雲ひとつない空のもと、 屋根の金具を見つめてる。 あの金具は屋根の片隅を、 誉められもせず支えてる。 重い重いと言いながら、 誉められもせず支えてる。 そのためだけにつくられて、 役目を終えるその日まで、 静かに僕らの生…
温かいものを飲むときは、 陶器のコップが丁度いい。 指で触って熱いなら、 きっと飲んでも熱いよと、 猫舌の僕に教えてくれる。 おまけに飲んだ後なんか、 汚れが落ち易いもんだから、 持ち主が多少ずぼらでも、 許されちゃうっ…
今日もちっぽけな物語を紡ぐ。 友に励まされながら。 確執に苛まれながら。 広い世界の片隅で、 誰かの支えになりたいと、 今日もちっぽけな物語を紡ぐ。
どんなに言葉に気をつけたって 意図せぬ誰かを傷つけてしまう。 どんなに良かれと行動したって 思わぬ誰かの邪魔をしてしまう。 反省ばかりの毎日だけど、 きっといつか皆を癒せるように、 今日も迷うことを辞めず行こう。
失意の渦中にいる友を想う。 彼にはどんな言葉も届かない。 言葉が力を失くすこんな時、 大切なものは言葉ではない。 | どうか友の胸の内に、 希望よ芽生えてくれぬかと、 只願うこの想いそのものに、 きっと代わらぬ意味がある…
部屋の暗がりに慣れた目に、 あまりに眩しい陽の光。 おぼつかない足取りで、 なんとか行き着いた定食屋。 ふるえる指で券を買い、 人の目気にして腰を下ろす。 運ばれた卵とじ定食に、 味覚を取り戻した嬉しさに、 喜びに、 感…
ふと歩きたいと思い立ち ダウンとマスクと家の鍵 寝癖隠しの帽子をかぶる。 | ドアを開けると冷たい雨 一瞬の躊躇はしたものの 負けるもんかと歩き出す。 | 道吹く風はあまりに寒く つまらぬ意地を後悔する。 それなら急いで…
先頭でバトンを受け取って、 少年は懸命に走った。 先頭でゴールをするために、 少年は懸命に走った。 でも途中でバトンを落とし、 後の皆に抜かれてしまった。 面目のなさに視界はぼやけ、 転んだ脚もひどく痛んだが、 それでも…
朝ぬくいものを飲む。 お昼休憩に詩を読む。 人の声を聴いて寝る。 そんな時間が確かにあって、 忙しい日々に忘れてしまう。 心がじんわり温まるような、 心がホッと落ち着くような、 そんな、ささやかな時間を、 一日の中に少し…
あらゆる無数の可能性の中で あの瞬間共に在ったという奇跡が どれだけの光であることか。 いつまでも色褪せることのない ただ心通わせる時間が どれだけの光であることか。 手を伸ばしても得られないものが いつの間にかそこにあ…
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