【フリー台本】海老のかき揚げ【読み聞かせ用】

 

小さい頃は、海鮮系の食べ物をめっぽう苦手としていた。

 

イカ、タコ、ホタテ、エビ、魚の刺身なども生々しくて苦手だったことを覚えている。

 

そんな私の苦手意識を払拭するものが現れた。エビフライである。

 

エビフライが子供たちの海鮮への苦手意識を払拭してくれており、

 

その美味しさは数々の子供たちを偏食から軌道修正させるに一役買っているように思う。

 

私も、エビフライに海鮮の美味しさを教えてもらったかつての少年だ。

 

おかげさまで、今では、日本酒をちびちび飲みながら食べる刺身の美味しさであったり、各地に旅した際に、特産品の海鮮丼を食べる幸せであったりといったことを感じることができる。

 

回転寿司でたまご以外のネタを頼むことができるようになったのも、全てエビフライのおかげだ。

 

とは言え、回転寿司ではマグロとサーモンしか頼まないが。

 

さて、岐阜を旅していた折、とあるエビのかき揚げに出逢ってしまった。

 

行列のできる蕎麦屋とのことで、せっかくならと並んで入り、席につくとおすすめされたので頼んでみた。

 

そして運ばれてきたのがこれだ。

 

見た目に美しいだけではなく、衣がとにかく繊細で、一瞬、口にするのをためらう。

 

箸で捕らえてバランスをとりながら、最高の一口目を探す。

 

口元へ運ぶと、香ばしい香りが鼻をつき、食欲がそそられる。

 

一口かじった途端、サクッと言う軽やかな音が耳を刺激する。

 

そして、噛めば噛むほど小海老の甘味が口いっぱいに広がる。

 

なんとも五感を刺激してくる一品だ。

 

側には山椒塩が添えてあり、これをつけて食べると、甘みがさらに引き立つ。

 

私の人生で、間違いなくベストオブエビかき揚げである。

 

これを味わえるのも、エビフライをきっかけに幼少期の海鮮系への苦手意識を払拭することができたからである。

 

二度も、エビに感謝をした旅であった。

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